マスターしよう基本操作
クロマトグラフィーの実際
篠田 友孝
1
1東京都立大学理学部化学教室
pp.731-738
発行日 1984年8月1日
Published Date 1984/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203118
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クロマトグラフィーは,物質の主に化学的・物理的特性の差を利用してそれらを分離同定する方法である(表).近年,各種充塡剤の開発に伴い,低分子化合物から106ダルトンの生体高分子に及ぶ広い範囲の物質に適用することが可能となり,日常の検査業務や研究に欠かすことのできない分析法である.最近では,カラムクロマトグラフィーを含めて各種の分析手段は,一層高感度かつ迅速,ならびに自動化の方向にあるが,簡単な手技法もまたしばしば必要な場合がある.ここではやや古典的な充塡剤とはいえ,生体高分子,特に蛋白質や酵素の大量調製に現在でも広く利用されている,多糖類をベースとしたイオン交換体によるカラムクロマトグラフィーの基本手技について解説する.
ところで,イオン交換クロマトグラフィーを実施する諸条件は,分離しようとする物質の性質により大きく変わるが,分離を至適化する場合の一般的な手順はいくつかあげることができる.
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