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化学療法の領域 2017年10月号(Vol.33 No.10) 特 集 感染症診療を変える新しい診断技術・検査法 薬剤耐性菌の蔓延が世界的な問題となっている中で,2016年4月に薬剤耐性(AMR)対策アクションプランが発表された。これは耐性菌問題に対して日本が世界のリーダーとしてコミットしていくことを宣言した重要な行動目標であり,「研究開発・創薬」が重要6項目のひとつとして掲げられ,「薬剤耐性の研究や,薬剤耐性微生物に対する予防・診断・治療手段を確保するための研究開発を促進する」ことが示されている。 従来の感染症検査では,検体が提出されてから結果が返ってくるまでに時間を要しており,抗菌薬療法はエンピリックにならざるを得ない状況が存在していた。耐性菌を増加させにくい効果的な抗菌薬療法のために,抗菌薬の投与前に病原体あるいは耐性を推定することができる,臨床的・社会的・経済的インパクトのある新しい検査法の開発が期待される。 AMR対策アクションプランが発表されてから1年,感染症診断法の開発においても大きな変化がみられ,新しい検査法の開発が次々と進んでいる。2020年に向けてどのような診断法が開発され応用されるのか,その展開が楽しみである。 序 -AMR時代に求められる検査法- 1.新しい検査機器の開発の現状と今後の展開 2.POCTにつながる新素材と新技術 3.臨床応用される注目の検査法 1)Verigeneシステム 2)フィルムアレイ 3)LAMP法 4)核酸クロマトグラフィー法 5)L7/L12イムノクロマトグラフィー法 6)GeneXpert®法 7)質量分析装置