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特集 めまい―最新のトピックス
新しい検査法:SVV
The new test:subjective visual vertical(SVV)
小川 恭生
1
Yasuo Ogawa
1
1東京医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.67-72
発行日 2011年1月20日
Published Date 2011/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101735
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Ⅰ.はじめに
耳石器は,直線加速度のセンサーである末しょう受容器で,球形囊と卵形囊からなる。この耳石器の機能検査としては,前庭誘発筋電位(vestibular evoked myogenic potential:VEMP),偏垂直軸回転検査(off-vertical axis rotation),偏中心回転検査(eccentric rotation),眼球反対回旋(ocular counter rolling)などの検査法が挙げられるが,VEMP以外は検査装置が巨大であること,設備コストの問題で一般的に普及していないのが現状である。
自覚的視性垂直位(subjective visual vertical:SVV)は,暗室で自覚的な垂直位を計測し,実際の垂直位(客観的な垂直位)とのずれを測定する検査である。SVVに関する研究はさまざまな領域で行われているが,めまい・平衡障害の機能検査としてのSVV測定の主たる目的は耳石器,前庭神経および中枢における重力認知経路の機能評価である。SVVでなく自覚的視性水平位(subjective visual horizontal:SVH)を測定している施設もあるが,SVVとSVHに本質的な違いはないと考えられる。
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