Japanese
English
特集 感染症インテリジェンス -世界と日本の感染症情報を活用する-
総論 2.国際的な感染症サーベイランスと世界における情報共有
International surveillance of infectious disease and its information sharing
山岸拓也
1
Yamagishi Takuya
1
1国立感染症研究所感染症疫学センター 主任研究官
キーワード:
世界保健規則(IHR)
,
EBS
,
IBS
,
PHEIC
Keyword:
世界保健規則(IHR)
,
EBS
,
IBS
,
PHEIC
pp.41-47
発行日 2017年8月25日
Published Date 2017/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201709041
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
各国で発生する公衆衛生上の緊急事態となり得る健康危機事例は世界保健規則(IHR)2005に基づき世界保健機関(World Health Organization:WHO)に報告される。WHOでは,このような各国からの事例報告およびメディアなどの非公式情報を利用して異常を探知するEvent-based surveillance(EBS)と,各国の感染症サーベイランス(Indicator-based surveillance:IBS)により事例をスクリーニングし,その後のタイムリーなリスクアセスメントと対策につなげている。WHOでは,国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(Public Health Emergencies of International Concern:PHEIC)になり得ると考えられた事例に関しては,各国保健省にパスワードロックされたEvent Information Siteで情報共有し,一般への情報提供が必要と判断された事例に対してはDisease Outbreak Newsで情報共有している。WHOでは,より機能的になるべく再編された健康危機管理部(WHO Health Emergencies Programme:WHE)が,事例探知,リスク評価,情報共有に尽力している。