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第1土曜特集 脳・神経系の感染症――診断と治療の最前線
脳・神経系のウイルス感染症
ダニ媒介性脳炎
Tick-borne encephalitis
好井 健太朗
1
Kentaro YOSHII
1
1長崎大学感染症共同研究拠点研究部門
キーワード:
ダニ媒介性脳炎(TBE)
,
脳炎
,
ダニ
,
フラビウイルス
,
人獣共通感染症
Keyword:
ダニ媒介性脳炎(TBE)
,
脳炎
,
ダニ
,
フラビウイルス
,
人獣共通感染症
pp.88-92
発行日 2021年4月3日
Published Date 2021/4/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2770188
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ダニ媒介性脳炎(TBE)はマダニの吸血により罹患し,重篤な症状を呈するウイルス性人獣共通感染症である.ユーラシア大陸の広域で年間1万人前後の患者が発生している.日本では,1993年に北海道において国内初のTBE確定診断症例が報告され,その後2016~2018年に相次いで2例目から5例目までの患者が発生した(そのうち2例は死亡).筆者らは,ダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)感染に対する診断系を確立し,継続的な血清疫学調査の実施により,北海道の広域および道外においても流行巣が分布している可能性を示している.本稿ではTBEVの一般的な情報とともに,筆者らが行ってきたTBEに関する最新の研究知見を紹介し,TBE流行に関する課題を考察したい.
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