Japanese
English
特集 改めて考えるレンサ球菌感染症
7.肺炎球菌感染症 1)基礎
Pneumococcal infections on the basic aspect
朴貞玉
1
,
大石和徳
2
Piao Zhenyu
1
,
Oishi Kazunori
2
1一般財団法人阪大微生物病研究会
2国立感染症研究所感染症疫学センター センター長
キーワード:
莢膜
,
定着
,
形質転換
Keyword:
莢膜
,
定着
,
形質転換
pp.102-107
発行日 2017年5月25日
Published Date 2017/5/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201706102
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肺炎球菌はおもに乳幼児の鼻咽頭に保菌され,この保菌には付着因子としてのCbpA等の複数の病原性因子が関与する。この定着は,肺炎,敗血症,髄膜炎などの多様な疾患の発症や,集団内伝搬の最初のステップとして重要な役割を果たす。とりわけ侵襲性肺炎球菌性感染症(IPD)の致命率は高い。小児用結合型肺炎球菌ワクチンの導入により肺炎球菌のエコロジーとIPDの病態の理解につながった。肺炎発症や菌血症・髄膜炎発症の機序においては,莢膜,PLY,PspA,NanAなどの病原性因子が関与する。しかしながら,IPDの発症機序,病原性因子の役割についてはいまだ不明な点が多い。