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連載 私達の研究(170)
エボラ出血熱に対する治療法および診断法の開発
Development of therapeutics and diagnostics for Ebola hemorrhagic fever
古山若呼
1
,
吉田玲子
2
,
五十嵐学
3
,
高田礼人
4
Furuyama Wakako
1
,
Yoshida Reiko
2
,
Igarashi Manabu
3
,
Takada Ayato
4
1北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター 博士研究員
2北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター 特任助教
3北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター 准教授
4北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター 教授
キーワード:
エボラウイルス,モノクローナル抗体,治療法,診断法
Keyword:
エボラウイルス,モノクローナル抗体,治療法,診断法
pp.148-155
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201705148
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エボラウイルスはヒトを含む霊長動物に重篤な出血熱を引き起こす病原体として知られており,その致死率は90%に及ぶこともある。しかし,エボラウイルスによる感染症(エボラ出血熱またはエボラウイルス病)に対して効果的なワクチンおよび治療薬は実用化されていない。2013~2016年に西アフリカで発生した大規模なエボラ出血熱の流行の際に,未承認ながらいくつかのワクチンおよび治療薬が試された。この流行を契機にエボラ出血熱の予防・治療・診断法の研究開発が加速し,実用化に向け臨床試験も盛んに進められている。特に我々はモノクローナル抗体を用いた治療法および診断法の開発を行ってきた。本稿では,それらの研究開発の現状を紹介したい。