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特集 忘れてはいけない人獣共通感染症
9.Q熱
Q fever
村松康和
1
Muramatsu Yasukazu
1
1酪農学園大学 獣医学群 獣医学類 衛生・環境学分野 人獣共通感染症学ユニット 教授
キーワード:
Q熱
,
Coxiella burnetii
,
急性疾患
,
持続性感染症
Keyword:
Q熱
,
Coxiella burnetii
,
急性疾患
,
持続性感染症
pp.84-91
発行日 2017年2月25日
Published Date 2017/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201703084
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ヒトQ熱および動物のコクシエラ症の起因病原体は通性細胞内寄生細菌Coxiella burnetii(コクシエラ・バーネッティ)で,本菌に感染した動物はヒトの感染源として重要である。Q熱の症状は多彩で特異的な臨床症状は認められないが,発症者は多くの場合,インフルエンザ様症状を主徴とする急性経過の後に回復する。持続性の経過をたどった場合は心内膜炎など重篤な症状を示す。急性感染症の治療にはドキシサイクリンを用いる。持続性感染症の場合はドキシサイクリンとヒドロキシクロロキンの併用が治療効果を発揮する。予防に関しては,出産時の動物,特に死・流産の際には娩出物を含む動物の取扱いや環境の除染に注意する。