発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006040993
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
25歳女.急な発熱,咽頭痛,嗄声,乾性咳嗽を認め,近医にて急性咽頭炎と診断された.Cefozopran(CZOP)を投与されたが効果はなく,呼吸困難感を自覚し,低酸素血症,胸部X線写真上異常陰影を認めるようになった.血液生化学検査ではC反応性タンパクや白血球数の上昇がみられたが,肝逸脱酵素の上昇はなかった.血清Coxiella burnetii抗体のIgG×256,IgM×1024以上で,Coxiella burnetiiのPCRは陽性であった.胸部X線写真,CTでは左中下肺野に軽度の浸潤影を認めた.CZOPを増量したが下熱傾向はみられず,テトラサイクリン系抗菌薬(ミノサイクリン)の併用投与を開始した.その結果,速やかに解熱し,嗄声,咳などの症状,検査所見,および胸部X線像も改善した.問診で症状出現3週間前にウシ,ウマなどの動物と比較的長時間接触していたことが判明し,病原微生物を含んだ飛沫吸入が各症状の原因と考えられた.退院から1年が経過したが,再燃や慢性化の徴候はみられない
©Nankodo Co., Ltd., 2005