病気のはなし
Q熱
安部 崇
1
,
山木 健市
1
,
下方 薫
1
1名古屋大学医学部呼吸器内科
pp.1194-1199
発行日 2002年10月1日
Published Date 2002/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906399
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新しい知見
Q熱は,いままでわが国ではほとんど関心がはらわれてこなかったが,最近わが国でもQ熱の症例が蓄積されるようになり1),諸外国と同様に広く蔓延していることが示唆されている.最近われわれは大規模な疫学調査を行い,日本人の抗体保有率について血清学的に検討した2).健康供血者では抗体価陽性率は3.6%であり,それに比べて職業上伴侶動物と接触する小動物臨床獣医師では13.5%と有意に高率であった(表1).この結果からもわが国に諸外国と同様にCoxiella burnetiiが広く存在していることが示唆され,今後わが国でも熱性疾患の鑑別診断の1つに挙げる必要があると考えられる.
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