病気のはなし
Q熱
高橋 洋
1
1坂総合病院呼吸器科・感染症科
pp.1042-1046
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102959
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サマリー
Q熱は家畜やペットが無症候性に保菌する病原菌コクシエラ(Coxiella burnetii)による動物由来感染症であり,肝炎,不明熱,心内膜炎など多彩な病型をとるが,実際には肺炎あるいはインフルエンザ様上気道炎などの呼吸器感染症として発症する症例が多い.国内でのQ熱肺炎の発症頻度は市中肺炎全体の1~2%程度と推定されているが,本症の臨床像や胸部X線撮影所見は非特異的であり診断は難しい.急性Q熱の診断には抗体価の経時的な追跡とポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction,PCR)が重要であり,動物との接触機会を有する発熱症例やβラクタム薬無効な市中肺炎例などでは必要に応じて積極的な検査を試みることが望ましい.
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