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特集 忘れてはいけない人獣共通感染症
3.腎症候性出血熱とハンタウイルス肺症候群
Hemorrhagic fever with renal syndrome and Hantavirus pulmonary syndrome
苅和宏明
1
Kariwa Hiroaki
1
1北海道大学大学院獣医学研究科環境獣医科学講座公衆衛生学教室 教授
キーワード:
ハンタウイルス
,
腎症候性出血熱
,
ハンタウイルス肺症候群
,
人獣共通感染症
,
げっ歯類
Keyword:
ハンタウイルス
,
腎症候性出血熱
,
ハンタウイルス肺症候群
,
人獣共通感染症
,
げっ歯類
pp.38-43
発行日 2017年2月25日
Published Date 2017/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201703038
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ハンタウイルスはげっ歯類などの小型哺乳類が宿主となり世界中に分布している。人は感染げっ歯類の排泄物を吸引することにより感染する。ハンタウイルスによる人の感染症は腎症候性出血熱(HFRS)とハンタウイルス肺症候群(HPS)の2つの病型が知られている。HFRSは腎臓の機能障害や出血を主徴とし,死亡率はウイルスの血清型に応じて1%以下から15%までの幅がある。HPSでは胸腔内に滲出液が急速に貯留し,呼吸困難とショックによって高い死亡率(約40%)を示す。HFRSとHPSは感染症法上,全数報告対象(四類感染症)に指定されており,診断した医師はただちに最寄りの保健所に届け出なければならない。