今月の主題 注目のウイルス・リケッチア感染症
技術解説
腎症候性出血熱(韓国型出血熱)のウイルス検査法
山西 弘一
1
,
奥野 良信
1
Koichi YAMANISHI
1
,
Yoshinobu OKUNO
1
1大阪大学微生物病研究所麻疹研究部
pp.722-730
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913361
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腎症候性出血熱(HFRS)の発生は似前は中国東北部,ソ連,北欧で局所的にみられていたが,現在ではその発生は全ユーラシア大陸に広がった.わが国では,1960年以来患者の発生が報告され,1970年代からは全国の大学での発生が報告された.主たる臨床症状は発熱,悪寒戦慄,食欲不振で始まり,出血傾向,蛋白尿を伴う全身感染である.その死亡率はもっとも重症の極東型で約3%である.診断は臨床症状によるもののほか,血清診断で確定される.血清検査は蛍光抗体法,赤血球凝集阻止反応,およびELISA法が主として用いられている,おのおのの方法には利点,欠点があるが,組み合わせることによって欠点を補える.また,早期診断は早期治療につながるので重要である.
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