Japanese
English
特集 忘れてはいけない人獣共通感染症
2.狂犬病
Rabies
杉山誠
1
,
伊藤直人
2
Sugiyama Makoto
1
,
Ito Naoto
2
1岐阜大学応用生物科学部共同獣医学科人獣共通感染症学研究室 教授
2岐阜大学応用生物科学部共同獣医学科人獣共通感染症学研究室 准教授
キーワード:
リッサウイルス
,
狂犬病ウイルス
,
狂犬病予防法
,
ワクチン
Keyword:
リッサウイルス
,
狂犬病ウイルス
,
狂犬病予防法
,
ワクチン
pp.27-36
発行日 2017年2月25日
Published Date 2017/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201703027
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
狂犬病はそのほとんどが狂犬病ウイルスに感染したイヌの咬傷に起因する致死性の人獣共通感染症である。治療法は確立されていないが,ワクチンにより発症を阻止することができる。わが国では狂犬病予防法を軸としたイヌへの対策により1957年を最後に本症の発生はない。しかし,世界的にはアジア・アフリカの開発途上国を中心に流行が続いている。また,先進国であっても野生動物のあいだで狂犬病ウイルスの感染環が形成されると散発的な発生を阻止することは難しい。わが国においても2006年にフィリピンから帰国した2人の輸入症例があり,周辺国でも狂犬病の清浄国であった韓国と台湾において狂犬病が発生し,流行が起きた。狂犬病の一般的な特徴を概説し,わが国および周辺国で発生した狂犬病について,狂犬病対策の課題とともに述べる。