特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!
【System 1 電光石火の感染症Snap Diagnosis】
秋○○はよめに食わすな
伊東 直哉
1
1瀬戸内徳洲会病院総合内科
キーワード:
レプトスピラ症
,
人畜共通感染症
,
眼球結膜充血
,
げっ歯類
Keyword:
レプトスピラ症
,
人畜共通感染症
,
眼球結膜充血
,
げっ歯類
pp.708-710
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103301
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Case
奄美大島で発症したレプトスピラ症の一例
患者:74歳,男性,農家.
主訴:全身倦怠感.
現病歴:来院8日前,37.5℃の発熱,全身倦怠感,全身の筋肉痛,咽頭痛,ズキズキするような頭痛を自覚した.以降,全身倦怠感,頭痛が持続し,食欲が低下してきた.来院当日,全身倦怠感が続くため当院を受診した.受診時に両側眼球結膜の充血を認めるものの,その他に身体所見で明らかな異常を認めなかった.血液検査では血小板減少,肝機能障害および腎機能障害,炎症反応の上昇を認めた.詳細に問診を行うと,井戸水の飲水歴,住宅でのネズミとの接触歴が判明した.レプトスピラ症を疑い,ペア血清に顕微鏡下凝集試験法(microscopic agglutination test : MAT)を行った.初回血清でL. borgpetersenii serovar Poiの2,560倍の抗体価がみられ,血清学的に確定診断を得た.抗菌薬投与により軽快し,退院した.
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