Japanese
English
特集
8.肺炎におけるウイルスの関与
Involvement of viral infection in pneumonia
原永修作
1
,
藤田次郎
2
Haranaga Shusaku
1
,
Fujita Jiro
2
1琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科学講座 講師
2琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科学講座 教授
キーワード:
ウイルス性肺炎
,
インフルエンザウイルス
,
ヒトメタニューモウイルス
,
パラインフルエンザウイルス
Keyword:
ウイルス性肺炎
,
インフルエンザウイルス
,
ヒトメタニューモウイルス
,
パラインフルエンザウイルス
pp.90-97
発行日 2016年11月25日
Published Date 2016/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201612090
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日常臨床において,典型的な細菌性肺炎とは異なる臨床像,画像所見を呈する肺炎を見た場合にウイルス性肺炎が鑑別に上がる。しかしながら,迅速診断キットが普及しているインフルエンザウイルスを除いてウイルス性肺炎の確定診断がなされることは少なく,各種ウイルスによるウイルス性肺炎の臨床像が明らかになっているとは言い難い。近年,迅速診断キットやPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法などの手法により呼吸器検体からウイルスが検出されるようになり,市中肺炎に限らず,医療ケア関連肺炎,院内肺炎においてもウイルスの関与が注目されている。特にICU管理を要するような重症肺炎例でのウイルスの関与が報告されており,ウイルスと細菌の重複感染例では死亡率の上昇も指摘されている。本稿では肺炎症例におけるウイルスの関与について,疫学,臨床像,治療法について述べる。