連載・カラーグラフィック 画像から読み解く感染症(16)
Ⅵ 上腹部・消化管 3.大腸結核
松浦隆志
1
Matsuura Takashi
1
1国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 副院長
pp.4-8
発行日 2016年9月25日
Published Date 2016/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201610004
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大腸結核とは結核菌が腸に感染し腹部症状をきたす疾患である。症状は慢性に継続するはっきりとしない腹痛が多く,経過も慢性であるため,強く疑って精査を行わないと診断は困難である。慢性的な腹部症状をきたした結核のリスクを有する患者や肺結核を有する患者では常に鑑別に上げる必要がある。画像診断法としては大腸内視鏡検査や注腸造影X線検査があり,最近では,CTコロノグラフィーやダブルバルーン内視鏡,カプセル内視鏡なども行われる。病変の拡がりや腹膜炎の有無の診断には腹部CTも有用である。本稿では大腸結核に特徴的な注腸造影X線検査および内視鏡所見について症例を呈示しながら解説する。