Japanese
English
原著
原発性皮膚クリプトコックス症
Primary Cutaneous Cryptococcosis
木花 光
1
,
岩崎 弘幸
1
,
石川 謹也
1
,
西川 武二
2
Akira KONOHANA
1
,
Hiroyuki IWASAKI
1
,
Kinya ISHIKAWA
1
,
Takeji NISHIKAWA
2
1川崎市立川崎病院皮膚科
2慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kawasaki Municipal Hospital
2Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.887-891
発行日 1982年9月1日
Published Date 1982/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202705
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原発性皮膚クリプトコックス症の27歳男子例を報告した.初診の3ヵ月前,右拇指に外傷,一旦治癒したかに見えたが1ヵ月前より同じ部位に湿潤腫脹をきたした.病理組織学的に真皮に小円形細胞,組織球などより成る稠密な細胞浸潤があり,PAS染色にて多数の菌要素を認めた.生検皮膚のサブロー培地培養にてクリーム状集落が得られ,分離菌はCryptococcus neoformansと同定された.また有性世代は,Filobasidiella neoformans,ma—ting type α,scrotype Dと同定された.3%小川培地での培養では典型的な厚い莢膜をもった菌細胞が得られた.生検後軽快傾向が見られ,クロトリマゾール含有軟膏の外用にて,半年後患部はほぼ正常に復した.経過中全身症状なく皮疹の新生なし.以上より本例は自然治癒と考えられた.また原発性皮膚クリプトコックス症につき若干考察を加えた.
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