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特集 難治性真菌症の病態と治療戦略
Ⅱ 臨床 3.慢性肺アスペルギルス症の病態と治療戦略-薬剤耐性の問題も含めて-
Management of chronic pulmonary aspergillosis
田代将人
1
Tashiro Masato
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科感染免疫学講座臨床感染症学分野 助教
キーワード:
慢性肺アスペルギルス症
,
病型分類
,
Aspergillus fumigatus
,
アゾール耐性
Keyword:
慢性肺アスペルギルス症
,
病型分類
,
Aspergillus fumigatus
,
アゾール耐性
pp.82-89
発行日 2016年6月25日
Published Date 2016/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201607082
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慢性肺アスペルギルス症の病態は複雑であり,わが国では,手術を第一選択とする単純性肺アスペルギローマと,抗真菌薬による治療を第一選択とする慢性進行性肺アスペルギルス症に分類している。欧州のガイドラインでは病型を,simple aspergilloma,chronic cavitary pulmonary aspergillosis,chronic fibrosing pulmonary aspergillosis,aspergillus nodule,subacute invasive aspergillosisの5つに分類しているが,重複例も多く,分類は容易ではない。これらの分類は,わが国における分類と相反するものではない点に注意が必要である。欧州ではアゾール耐性株によるアスペルギルス症が増加傾向にあり,わが国でも耐性株の存在が確認されている。臨床的に耐性株の存在が疑わしい時は薬剤感受性試験を実施している研究機関に協力を依頼することが望ましい。