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今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ
クリプトコックス症
Diagnosis and therapy of cryptococcosis
川上 和義
1
1東北大学大学院 医学系研究科感染分子病態解析学分野
キーワード:
クリプトコックス症
,
髄膜炎
,
病態
,
診断
,
治療
Keyword:
クリプトコックス症
,
髄膜炎
,
病態
,
診断
,
治療
pp.90-96
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103779
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●Cryptococcus neoformansはハトなどの鳥類の堆積糞中で増殖し,乾燥により空気中に舞い上がった酵母を吸入することで経気道的に感染する.
●糖尿病,腎疾患,膠原病,血液悪性疾患,後天性免疫不全症候群(AIDS)などの基礎疾患がある場合は,細胞性免疫の低下により,肺から中枢神経系に播種性感染し脳髄膜炎を起こす.
●診断は,症状,理学所見,画像所見,血清学的検査,髄液検査,鏡検,培養,病理検査により総合的に行う.
●肺クリプトコックス症では,健康診断により偶然に発見されることも多い.
●血清βグルカンは上昇しないが,莢膜多糖抗原のグルクロノキシロマンナン測定が感度および特異度ともに優れ,補助診断法として有用である.
●臨床診断または確定診断例に対して標的治療を行い,フルコナゾール,イトラコナゾール,ボリコナゾールなどのアゾール系抗真菌薬や,アンホテリシンB,フルシトシンが用いられる.ミカファンギンは無効である.
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