Japanese
English
特集 HIV感染症の流行はまだ続いている
10.HIV母子感染予防の現状と課題
The current cares of pregnant women living with HIV and interventions to reduce perinatal transmission
谷口晴記
1
,
山田里佳
2
,
千田時弘
3
,
塚原優己
4
Taniguchi Haruki
1
,
Yamada Rika
2
,
Senda Tokihiro
3
,
Tsukahara Yuki
4
1三重県立総合医療センター 副理事長・副院長
2海南病院産婦人科 外来部長
3三重大学医学部産婦人科
4国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター産科 医長
キーワード:
HIV母子感染予防
,
妊婦HIV検査
,
妊婦HIVケアガイドライン
Keyword:
HIV母子感染予防
,
妊婦HIV検査
,
妊婦HIVケアガイドライン
pp.97-106
発行日 2016年4月25日
Published Date 2016/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201605097
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わが国では平成22年(2010年)4月1日から妊婦健診に14回の公費負担がなされることになり,初期検査項目にHIV検査が導入された。その結果,現在では妊婦HIV検査実施率は地域間で多少ばらつきはあるものの100%に近くなった。HIV母子感染予防対策が十分取られれば,母子感染率は胎内感染例と思われる症例を除き0.4%となった。先進国での母子感染対策を見ると,わが国に比べ母数はきわめて高いが,母子感染予防対策が取られていれば1%以下となり,きわめて低い状況となった。多剤抗HIV療法(combination antiretroviral therapy:cART)の進歩の恩恵はHIV母子感染予防対策にも取り入れられてきた。本稿では,先進各国の母子感染予防対策の現状を紹介し,わが国の対策と比較した。