Japanese
English
特集 HIV感染症の流行はまだ続いている
9.HIV感染症の検査体制の現状と課題
Current status and issues of Japanese testing system for HIV infection
加藤真吾
1
Kato Shingo
1
1慶應義塾大学医学部微生物学・免疫学教室 専任講師
キーワード:
HIV検査
,
保健所等
,
夜間・土日・即日検査
,
初回エイズ診断率
Keyword:
HIV検査
,
保健所等
,
夜間・土日・即日検査
,
初回エイズ診断率
pp.89-96
発行日 2016年4月25日
Published Date 2016/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201605089
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HIV感染症の早期治療開始は,患者の予後の改善だけでなく,二次感染の予防にもきわめて有効である。早期治療開始につながるHIV感染症の早期診断は検査の普及なくしてあり得ない。全国の保健所へのアンケート調査の結果を見ると,保健所等では夜間・土日・即日検査などの受検者の利便性に配慮した検査体制が推進されてきたが,まだ十分とは言えない。都市部に開設された特設検査施設は検査件数や陽性件数において優れた成果を上げており,今後一層の拡充が望まれる。高い初回AIDS診断率からもうかがわれるように,地方においては感染リスクが高い層への検査機会の提供が遅れており,保健所等だけではなく,病院・診療所での検査提供の拡大が急務である。