特集 今そこにあるHIV感染症
日本におけるHIV感染症の現状
立川 夏夫
1
Natsuo Tatikawa
1
1国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター
キーワード:
免疫能
,
HIV抗体検査
,
偽陽性
,
治療薬
,
プライバシー
Keyword:
免疫能
,
HIV抗体検査
,
偽陽性
,
治療薬
,
プライバシー
pp.742-746
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101014
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「日本におけるHIV(human immunodeficiency virus)感染症の現状」は仄暗い.世界の「HIV感染症の現状」が暗闇のように暗いことと比べれば,まだ明るい.しかし,その仄暗さは明け方の仄暗さではなく,夕方の仄暗さに思える.
基礎的事項について
HIV(HIV-1)は患者のCD4陽性細胞と血漿中に存在する.CD4陽性細胞としては,CD4陽性Tリンパ球・マクロファージ・樹状細胞が代表的である.患者血漿1ml中には50個未満から106個以上までの幅でフリーのウイルスが存在する.感染経路として問題となるのは,血液・精液・腟分泌液・母乳である.唾・涙・汗・尿・便では基本的にウイルスは存在しないが,血液の混入がある場合には問題となる.
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