Japanese
English
特集 ヒトの健康・疾患と腸内細菌の関わり
9.潰瘍性大腸炎患者に対する便内腸内細菌移植療法
Fecal microbiota transplantation(FMT)for patients with ulcerative colitis
石川 大
1
,
長田太郎
2
,
渡辺純夫
3
Ishikawa Dai
1
,
Osada Taro
2
,
Watanabe Sumio
3
1順天堂大学消化器内科 助教
2順天堂大学消化器内科 先任准教授
3順天堂大学消化器内科 主任教授
キーワード:
腸内フローラ
,
糞便移植療法(FMT)
,
潰瘍性大腸炎(UC)
Keyword:
腸内フローラ
,
糞便移植療法(FMT)
,
潰瘍性大腸炎(UC)
pp.91-97
発行日 2016年1月25日
Published Date 2016/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201602091
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
腸内フローラの乱れ(dysbiosis)は,潰瘍性大腸炎を含めたさまざまな疾患との関連が明らかになり,dysbiosisの改善手段として「糞便移植療法(FMT)」に注目が集まっている。FMTはClostridium difficile感染性腸炎(CDI)に対して非常に高い奏効率を示したことが報告され,潰瘍性大腸炎やクローン病の炎症性腸疾患だけでなく,糖尿病やメタボリックシンドロームなど,代謝疾患に対しても実用化に向けて積極的に臨床研究が行われている。しかし,2015年に発表された2編の潰瘍性大腸炎に対するFMTのRandomized control study(RCT)では,CDIに比べ治療効果はいまだ不透明であり,疾患にあわせたFMTの治療法の確立が求められている。