Japanese
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特集 クロストリジウム・ディフィシル感染症
8.腸内マイクロビオータと糞便移植療法
Intestinal microbiota and fecal transplantation therapy
神谷茂
1
Kamiya Shigeru
1
1杏林大学医学部感染症学 教授
キーワード:
腸内フローラ
,
腸内マイクロビオータ
,
Clostridium difficile
,
糞便移植
Keyword:
腸内フローラ
,
腸内マイクロビオータ
,
Clostridium difficile
,
糞便移植
pp.74-81
発行日 2014年12月25日
Published Date 2014/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201501074
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クロストリジウム・ディフィシル感染症(Crostridium difficile〔C. difficile〕infection:CDI)およびクロストリジウム・ディフィシル関連下痢症/疾患(C. difficile-associated diarrhea/disease:CDAD)は抗菌薬投与に基づく腸内マイクロビオータの攪乱(dysbiosis)によって引き起こされる。CDI/CDADでは,Firmicutes目およびBacteroidetes目細菌の減少,Veillonella, Enterococcus, Lactobacillus属細菌の増加が示されている。CDI/CDAD患者の腸内マイクロビオータのdysbiosisを回復させる目的で,健康人の糞便を投与する糞便移植(fecal transplantation:FT)療法の効果が評価された。再発性CDI患者へのFT療法の寛解率は80%を超え,本療法が有効であることが示された。今後,FT療法の科学的評価が行われることが期待される。