わだい
レジオネラ症の肺病変
斎藤 厚
1
1琉球大学・第一内科
pp.1202
発行日 1987年10月30日
Published Date 1987/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913454
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Legionella pneumophilaを代表とするグラム陰性桿菌による感染症であるレジオネラ症は肺炎を主徴とし,その肺病理組織学的所見はひと口でいえば,急性線維素性化膿性気管支肺炎に代表される像である.
大気中に浮遊する本菌群を経気道的に肺内へ吸入することで,細菌性肺炎として発症するわけであるが,胸部X線写真から見た罹患部位は両側下肺野にやや多く,2葉以上にまたがる急性肺炎像で,境界不鮮明な均等陰影を呈するものが多い1,2).その他,経過の速いものでは気管支空気像(air bronchogram)を伴った大葉性肺炎像を呈する症例もある.また,左右どちらかに胸水貯留を伴う頻度が高い.
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