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特集 呼吸器感染症―最新の話題
レジオネラ肺炎
Legionella pneumonia
比嘉 太
1
Futoshi Higa
1
1琉球大学大学院医学研究科感染病態制御学講座分子病態感染症学分野(第一内科)
1Department of Control and Prevention of Infectious Diseases, Faculty of Medicine, University of the Ryukyus
pp.143-147
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100250
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はじめに
レジオネラは元来土壌細菌であるが,人工環境中にも広く分布し,欧米ではビル冷却塔水や病院などの給湯系が感染源として注目されてきた.わが国では特有の生活習慣を反映して,循環式給湯設備が広く普及してきたが,これらが本菌群によって高度に汚染され,大規模な集団感染を引き起こす事例が続発している.一方で,市中肺炎の起炎菌サーベイランスでもレジオネラは数パーセントを占め,散発的な発生も無視できない.こうした散発例の多くは感染源が不明である.
ICU入室を要する重症肺炎では肺炎球菌とならんでレジオネラが主要な起炎菌である.両者の第一選択薬は全く異なっており,適切な診断と治療の遅れが致命的な結果を招く恐れがある.本稿ではレジオネラ肺炎の病態,診断および治療について概説する.
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