Japanese
English
特集 難治性真菌症の病態と治療戦略
Ⅰ 基礎 4.バイオフィルム形成真菌症の病態と治療
Fungal biofilm diseases
時松一成
1
Tokimatsu Issei
1
1神戸大学医学部附属病院感染制御部 部長/特命准教授
キーワード:
バイオフィルム
,
カテーテル関連血流感染症
,
アムホテリシンBリポソーム製剤
,
キャンディン系薬
,
カテーテルロック療法
Keyword:
バイオフィルム
,
カテーテル関連血流感染症
,
アムホテリシンBリポソーム製剤
,
キャンディン系薬
,
カテーテルロック療法
pp.48-54
発行日 2016年6月25日
Published Date 2016/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201607048
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真菌も緑膿菌や黄色ブドウ球菌のように,ヒトの体内の生体表面や医療用デバイス表面でバイオフィルムを形成する。もっとも典型的な例がカテーテル関連血流感染症である。他の微生物同様,生体内物質やクオラムセンシングが関与しながら真菌バイオフィルムは形成される。形成後はヒトの免疫能からの回避に加え,極度に抗真菌薬に対する感受性が低下することで治療抵抗性の原因になっている。そのため,バイオフィルム形成真菌症の治療は,フォーカスのコントロールや対外への取り出しが基本的な対処方法である。抗真菌薬では,アムホテリシンBリポソーム製剤やキャンディン系薬に抗バイオフィルム活性があることが報告されている。また抗真菌薬以外では,カルシニューリン阻害薬やエタノールなどでin vitroの検討が行われ,抗バイオフィルム活性やカテーテルロック療法が報告されている。