Japanese
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特集 バイオフィルム研究の最前線
Ⅰ 医歯薬学 3.口腔バイオフィルムと糖および代謝産物
Oral biofilm, suger and metabolite
泉福英信
1
Senpuku Hidenobu
1
1国立感染症研究所細菌第一部 室長
キーワード:
バイオフィルム
,
Streptococcus mutans
,
Actinomyces naeslundii
,
クオラムセンシング
Keyword:
バイオフィルム
,
Streptococcus mutans
,
Actinomyces naeslundii
,
クオラムセンシング
pp.45-51
発行日 2015年10月25日
Published Date 2015/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201511045
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口腔微生物は700種類以上,存在していると言われている。それらの中でバイオフィルム形成にかかわることがわかっている菌は,Streptococcus, Acitinomyces, Neisseria, Veillonella, Fusobacteriumなどである。これらの菌は,歯表面に付着した唾液成分由来獲得ペリクルと結合し,さらに菌同士で相互作用し,付着,増殖,凝集をくり返しながらバイオフィルムを形成している。口腔は常に食物を摂取しているため,菌にとって一定量の栄養源が供給されてくる。この栄養源を代謝し,その代謝産物をさらに利用してバイオフィルムは成熟していく。成熟したバイオフィルムはクオラムセンシングにより,さまざまな活性が起こる。これらの活性は菌が生き残るために必要なシステムにかかわっている。このバイオフィルム形成のメカニズムを知り,病原性化を阻止し,健康的な口腔微生物叢を維持することが重要である。