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特集 バイオフィルム研究の最前線
Ⅰ 医歯薬学 4.細胞間コミュニケーションと口腔細菌バイオフィルム
Cell-cell communication and oral bacterial biofilm
阿座上弘行
1
,
恵比須繁之
2
Azakami Hiroyuki
1
,
Ebisu Shigeyuki
2
1山口大学農学部生物機能科学科食品化学研究室 教授
2大阪大学歯学研究科 特任教授
キーワード:
口腔バイオフィルム
,
クオラムセンシング
,
オートインデューサー
Keyword:
口腔バイオフィルム
,
クオラムセンシング
,
オートインデューサー
pp.53-61
発行日 2015年10月25日
Published Date 2015/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201511053
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口腔内には700種を超える細菌が生息しており,これらが部位に応じた細菌叢からなるバイオフィルムを形成している。口腔二大疾患である歯周病とう蝕は,バイオフィルム形成細菌による感染症と認識されている。また口腔内では,細菌同士が同種間・異種間でクオラムセンシングと呼ばれるコミュニケーションを行っており,これがバイオフィルムの形成や疾患の進行と深くかかわっている。そこで,クオラムセンシングをターゲットとした口腔疾患の予防や治療法の開発を目指した研究が進んでいる。本稿では,口腔バイオフィルムに生息する細菌間のコミュニケーションと,それをターゲットとしたバイオフィルムの制御について解説する。