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連載 薬剤品質管理ブックレット(3)
クラリス®ドライシロップ小児用の製剤設計
The formulation of Clarith® dry syrup for pediatric
生田弘史
1
,
矢島稔央
1
,
三輪明生
1
Ikuta Hiroshi
1
,
Yajima Toshio
1
,
Miwa Akio
1
1大正製薬株式会社
pp.121-131
発行日 2015年9月25日
Published Date 2015/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201510121
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2006年に改良したクラリス®ドライシロップ小児用は,改良前の製剤の特徴であるクラリスロマイシンおよび胃溶性高分子等から得られる粒子を核粒子として,水への分散性改善および,酸性飲料水に懸濁直後の苦み発現の抑制を目的に,水不溶性(pH〔水素イオン指数〕非依存型)のアミノアルキルメタクリレートコポリマーRSをコーティングしたものである。これにより,改良前の製剤と比較し,服用時の水への分散性を大幅に改善できた。さらに,改良製剤では甘味成分を増量することで小児の好む味となるとともに,色がストロベリー風味と合致した微赤白色であることから,服用感の向上が図られたと判断する。なお,酸性飲料水に懸濁した場合のクラリスロマイシンの溶出性も,改良製剤は改良前の製剤に比べ顕著に抑えている。しかしながら,クラリスロマイシンの苦みの閾値がきわめて低濃度であることを考慮すると,改良製剤においても,改良前の製剤と同様に酸性飲料水での服用は避けたほうが好ましいと考える。