連載 医薬品情報(DI)室より 注目の新薬情報〈11〉
ヘマンジオルⓇシロップ小児用0.375%
菱沼加代子
1
,
林昌洋
2
1虎の門病院薬剤部 医薬情報科
2虎の門病院薬剤部 薬剤部長
pp.2751-2755
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201612151
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◆ 製剤の特徴 「ヘマンジオル®シロップ小児用0.375%(プロプラノロール塩酸塩)」は,国内初の乳児血管腫(Infantile hemangioma:IH)治療薬である。IHに対する作用機序として,血管収縮作用,細胞増殖抑制作用,血管新生抑制作用およびアポトーシス誘導作用が寄与していると考えられている。国内第III相臨床試験では,24週後におけるIHに対する有効率は78.1%(25/32例)であった。本剤の成分であるプロプラノロール塩酸塩は非選択的β受容体遮断薬であり,重大な副作用として,低血圧,徐脈,房室ブロック,低血糖,気管支痙攣,高カリウム血症,無顆粒球症が認められている。そのため初回投与時および増量時は,小児科医との連携の下,心拍数,血圧,呼吸状態,血糖値等を少なくとも投与2時間後まで1時間ごとに確認することとされている。