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連載 私達の研究(151)
ポストゲノムマラリアワクチン研究の最前線
Post -genome malaria vaccine research
坪井敬文
1
,
高島英造
2
Tsuboi Takafumi
1
,
Takashima Eizo
2
1愛媛大学・プロテオサイエンスセンター・マラリア研究部門 教授
2愛媛大学・プロテオサイエンスセンター・マラリア研究部門 准教授
キーワード:
マラリア,ワクチン,ポストゲノム,コムギ胚芽無細胞タンパク質合成法
Keyword:
マラリア,ワクチン,ポストゲノム,コムギ胚芽無細胞タンパク質合成法
pp.113-119
発行日 2015年9月25日
Published Date 2015/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201510113
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熱帯・亜熱帯地域に広く分布するマラリアは,マラリア原虫という寄生虫により引き起こされる重篤な感染症であり,ハマダラカによって媒介される。現在,治療薬耐性マラリアが世界中に拡散し,マラリア対策は困難に直面している。そこで,新薬の開発とともにマラリアワクチンの開発が緊急の課題と考えられてきたが,いまだ実用化されたワクチンはない。2002年にマラリアゲノム情報が公開され,ワクチン候補の探索が加速されると期待されたが,大腸菌等既存の技術ではタンパク質の合成が容易でなく,ポストゲノムマラリアワクチン研究は暗礁に乗り上げていた。我々は,愛媛大学で開発したコムギ胚芽無細胞タンパク質合成法を用いれば高品質のマラリアタンパク質が容易に合成できることを見出した。本稿では,マラリアワクチン開発の最前線を紹介するとともに,我々の実施しているポストゲノムマラリアワクチン候補探索研究の概要について,マラリア発病阻止ワクチン研究の内容を中心に紹介する。