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特集 持続感染・潜伏感染の機序と病態
9.結核菌の潜伏,持続感染の分子遺伝学
Molecular biology of latent form and dormancy of Mycobacterium tuberculosis
大原直也
1
Ohara Naoya
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科口腔微生物学分野 教授
キーワード:
結核菌
,
持続感染
,
休眠菌
,
休眠菌の再活性化
Keyword:
結核菌
,
持続感染
,
休眠菌
,
休眠菌の再活性化
pp.101-106
発行日 2015年8月25日
Published Date 2015/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201509101
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結核菌は環境からは分離されず,ヒト-ヒト感染によって伝播する。宿主の中で長期持続感染することを特徴とし,持続感染菌は休眠状態であることが推測されている。持続感染菌における代謝は培養菌とは異なり,脂質が重要な炭素源となる。分子レベルでは,持続感染菌や休眠菌では二成分制御系であるdosR-dosS-dosTレギュロンおよびMprABによって支配される分子群が重要であり,また,ポリリン酸の存在も必要である。休眠状態からの回復については蘇生促進因子(Resuscitation-promoting factor:Rpf)の役割が大きい。