シリーズ最新医学講座・Ⅱ 耐性菌の基礎と臨床・9
主として市中感染で問題となる耐性菌・3
結核菌(非定型抗酸菌も含む)/基礎編
竹下 啓
1
Kei TAKESHITA
1
1北里研究所病院内科・呼吸器科
キーワード:
結核菌
,
抗酸菌
,
非定型抗酸菌
Keyword:
結核菌
,
抗酸菌
,
非定型抗酸菌
pp.1191-1195
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100741
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はじめに
結核は,Kochが1882年に発見した結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を起炎菌とする慢性感染症である.1945年には,わが国の人口10万人あたり237人が結核で死亡していたと推定されているが,その後公衆衛生の向上,抗結核薬の開発により,結核による死亡率は低下した1).しかし,2005年においても30,000人近くの新患者が発生し,約2,300人が死亡しており,結核は今なお重要な感染症であることに変わりはない.
結核の診断には,形態学,細菌学,さらには分子生物学などの様々な手法による検査が用いられており,結核の検査を理解することが結核菌そのものを理解することに通じる.そこで本稿では,結核菌の細菌学的特徴について触れた後,結核の検査診断について概説する.
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