連載 画像から読み解く感染症(3)
I 中枢神経 3.単純ヘルペス脳炎
上村清央
1
,
中條正典
2
,
吉浦敬
3
Kamimura Kiyohisa
1
,
Nakajo Masanori
2
,
Yoshiura Takashi
3
1鹿児島大学放射線診断治療学分野 講師
2鹿児島大学放射線診断治療学分野
3鹿児島大学放射線診断治療学分野 教授
pp.4-12
発行日 2015年8月25日
Published Date 2015/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201509004
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化学療法を受けている患者は免疫力低下のために,さまざまな感染症罹患の危険性が高まる。三叉神経節に潜伏感染する単純ヘルペスウイルスが再活性化し,単純ヘルペス脳炎を起こすことがある。単純ヘルペス脳炎は意識障害をともなう重篤な疾患であるが,早期に治療を行えば予後はよく,この疾患を疑った場合にはただちにMRIを撮影することが薦められる。体動でT1・T2強調像やfluid attenuated inversion recovery(FLAIR)像がきれいに撮影することができない場合でも,短時間で撮影可能な拡散強調像は必ず撮影する。側頭葉内側部や島,前頭葉底面の皮質に信号異常を認めることが診断のポイントになる。