Japanese
English
特集 持続感染・潜伏感染の機序と病態
1.単純ヘルペスウイルスの潜伏と回帰発症の機構
The mechanism of herpes simplex virus latency and recurrence
加藤哲久
1
,
川口寧
2
Kato Akihisa
1
,
Kawaguchi Yasushi
2
1東京大学医科学研究所感染・免疫部門ウイルス病態制御分野 助教
2東京大学医科学研究所感染・免疫部門ウイルス病態制御分野 教授
キーワード:
HSV
,
Us3
,
LAT
,
miRNA
Keyword:
HSV
,
Us3
,
LAT
,
miRNA
pp.25-36
発行日 2015年8月25日
Published Date 2015/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201509025
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単純ヘルペスウイルス(HSV)は代表的なDNAウイルスであり,ヒトに,脳炎,性器ヘルペス,皮膚疾患,眼疾患,小児ヘルペスなど,多様な病態を引き起こす。HSVは一度感染すると宿主に終生潜伏感染し,頻繁に再活性化し病態を呈する(回帰発症)。本稿では,HSVが属するαヘルペスウイルス亜科に広く保存されるUs3リン酸化酵素がつかさどるHSV増殖や病態発現の制御機構,近年,解析が急速に進むmicroRNAがつかさどる潜伏状態の誘導・維持機構,そして,エピジェネティクスな遺伝子発現制御やウイルス粒子のアクソンにおける順行輸送を中心とした回帰発症機構に関して,最新の知見を概略する。