JIM臨床画像コレクション
マラリア原虫
藤村 聡
1
,
宮木 康夫
2
1京都大学医学部附属病院総合診療部
2日本赤十字社和歌山医療センター病理部
pp.1078
発行日 2000年12月15日
Published Date 2000/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903153
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マラリアは,日本でも輸人感染症として重要な位置を占める.マラリアの診断の決め手はあくまで血液塗沫標本で赤血球中のマラリア原虫を確認することで,臨床症状や検査所見は参考程度にしかならない.また「予防薬を内服していた」と患者が言っても,肝臓内に休眠体が存在することがあり.鑑別診断からはずしてはいけない(本号「総合外来」参照).右図に示すように,ハマダラカの吸血より人体に侵人したスポロゾイトは,肝細胞内で分裂体になりメロゾイトを血液中に放出する.一部は生殖母胎となり再びハマダラカの体内に移行するが,大部分は赤血球内に移行し,輪状体,栄養体,分裂体と成長し,一挙に多数の赤血球を破壊して再びメロゾイトを放出する(本号表紙のさまざまなステージのマラリア原虫参照).その際,悪寒高熱が生じ,この増殖周期によりスパイク状の発熱が生じる.
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