今月の表紙
マラリア原虫観察
木俣 勲
1
,
巽 典之
2
1大阪市立大学医学部医動物学
2大阪市立大学医学部臨床検査医学
pp.62
発行日 1997年1月1日
Published Date 1997/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902967
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東南アジアとくればマラリア,デング熱,サラセミア,異常ヘモグロビン症,卵形赤血球症,伝染性下痢症,寄生虫症,それにAIDS,と答えることができれば満点である.環境破壊・オゾン層破壊・地球温暖化により熱帯・亜熱帯地域は拡大しつつあることから,特にマラリアについてはWHOを中心に精力的に予防対策が図られている.マラリアの汚染地域はアジアではタイ,インドネシアなどであり,インドネシアの西ロンボク島では人口の4%がマラリアに罹患しているという.
デング熱はDICを起こす蚊媒介性ウイルス性疾患であるが,これは汚水のあふれる市街地で流行するのに対し,マラリアは風光明媚な海岸地域や汽水に住む蚊により媒介される(図aが模式図).蚊の活動する時間帯は夕方が多いとのお達しで,われわれは汚染地域に入ると夕焼けの海岸の散歩は控えている.果たして本当に予防的効果があるのかどうかは定かでないが,われわれご一行様は長年マラリアに罹患しなかったことは確かである.
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