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特集 インフルエンザの最新知見 ~鳥,パンデミックと季節性インフルエンザ対策をどうするか~
7.H5N1プレパンデミックワクチンの臨床試験総括
The evaluation of clinical trials of A(H5N1)prepandemic vaccines
庵原俊昭
1
Ihara Toshiaki
1
1国立病院機構三重病院 院長(小児科)
キーワード:
安全4大評価
,
交叉免疫
,
基礎免疫
,
プレパンデミックワクチン
,
A(H1N1)亜型
Keyword:
安全4大評価
,
交叉免疫
,
基礎免疫
,
プレパンデミックワクチン
,
A(H1N1)亜型
pp.75-82
発行日 2014年11月25日
Published Date 2014/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201412075
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わが国は新型インフルエンザウイルスのパンデミックに備え,多くの基礎免疫がないヒトに免疫を誘導するために,ウイルス全粒子にアルミをアジュバントとして加えた沈降インフルエンザワクチンH5N1を開発した。成人では2回の初回接種で基礎免疫を誘導できるが,カバーできる抗体の幅は狭く,初回接種6カ月後以降の追加接種により,ブースティング効果と幅広い交叉免疫性が認められた。初回接種,追加接種ともに安全性は容認される範囲であった。一方,小児では初回接種1回目後の発熱率が高く,しかも年少児ほど高率であったが,発熱が高い群ほど抗体価は高値であった。現在のところ,小児に対してはパンデミック時のリスクベネフィットを考慮して使用することが計画されている。