第1土曜特集 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)―― “共生” への道
歴史研究からのアプローチ
過去のパンデミックからの考察
-――スペイン風邪を考える
藤原 辰史
1
Tatsushi FUJIHARA
1
1京都大学人文科学研究所
pp.68-71
発行日 2021年1月2日
Published Date 2021/1/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2760168
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1918年の夏から感染が広まるスパニッシュ・インフルエンザは世界中を駆けめぐり,日本を含めて多くの死者を生み出した.各地域に3回の感染の波が押し寄せ,死者の数は4,000万人とも1億人ともいわれている(研究者によって数値が異なる).当時は,インフルエンザウイルスが病原体だとはわからなかったし,致死率は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)よりも圧倒的に高かったとはいえ,どちらもウイルスが病原体であり,また世界中に感染が拡大した事実を鑑みると,今なお参考になる史実だと考える.
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