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特集 生物学的製剤治療の最前線
I 生物学的製剤の治療の進歩 5.乾癬に対する生物学的製剤
Biologics treatment for psoriasis
柴田彩
1
,
佐藤伸一
2
Shibata Sayaka
1
,
Sato Shinichi
2
1東京大学医学部皮膚科学教室 助教
2東京大学医学部皮膚科学教室 教授
キーワード:
乾癬
,
生物学的製剤
Keyword:
乾癬
,
生物学的製剤
pp.65-70
発行日 2014年10月25日
Published Date 2014/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201411065
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乾癬は厚い鱗屑と境界明瞭な紅斑を特徴とする代表的な慢性の皮膚炎症性疾患のひとつである。最終反応として,表皮角化細胞の過増殖,分化異常が起こるが,その背景において,樹状細胞やT細胞などの免疫細胞がサイトカインの産生を介して相互作用し,病態を形成している。TNF(tumor necrosis factor:腫瘍壊死因子)-αが病態形成に関与していることは以前から知られていたが,近年,IL(インターロイキン)-17を産生するTh17細胞の重要性が明らかにされている。乾癬における生物学的製剤はこれらの病態理解の進歩とともに,現在,抗TNF-α抗体2剤(インフリキシマブ,アダリムマブ)および抗IL-12/23p40抗体(ウステキヌマブ)が保険承認されており,優れた治療効果を示している。さらに,Th17細胞を標的とした,抗IL-17A抗体,抗IL-17受容体抗体,抗IL-23p19抗体など,病態に立脚した画期的な生物学的製剤の開発が進んでいる。