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特集 最近のトピックス2005 Clinical Dermatology 2005
5. 皮膚科医のための臨床トピックス
米国で用いられている生物学的製剤
New Biologics in Dermatology
藤田 真由美
1
Mayumi FUJITA
1
1コロラド大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,University of Colorado Health Sciences Center,CO,USA
キーワード:
生物学的製剤
,
乾癬
,
治療
Keyword:
生物学的製剤
,
乾癬
,
治療
pp.148-151
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100151
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要約
乾癬では,細胞性免疫が病態に重要な役割を果たしているため,免疫反応の一部のみを抑制する生物学的製剤は米国をはじめ世界で乾癬の治療に使用されている.AlefaceptはT細胞の活性化を可溶化LFA-3によって抑制し,効果発現は遅いが長期の寛解期間が期待できる.Efalizumabは接着因子LFA-1のサブユニットに対する抗体で,T細胞の活性化と皮膚浸潤を抑えるので効果は比較的早い.Etanerceptは体内のTNF-αを可溶化受容体で中和し,50~60%の患者で乾癬部感受性指数(PASI)75%以上の改善が得られる.TNF-α抑制剤としては他にもinfliximabとadalimumabが臨床治験中である.これらの生物学的製剤は肝腎障害がまれで,副作用も比較的少ないという利点がある.コスト,保険,感染症などの面で使用製剤や投与患者の選択,使用法や投与量のさらなる検討の余地があるが,乾癬の長期的な治療を見据えた有望な選択肢となるであろう.
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