Japanese
English
特集 ヘリコバクター・ピロリ感染症の診断と治療 up-to-date
9.ヘリコバクター・ピロリ除菌後に注意すべき問題点
Development of reflux esophagitis, increase in body weight, and development of gastric cancers after eradication of Helicobacter pylori
佐藤貴一
1
Satoh Kiichi
1
1国際医療福祉大学病院消化器内科 教授
キーワード:
Helicobacter pylori
,
除菌
,
逆流性食道炎
,
肥満
,
胃がん
Keyword:
Helicobacter pylori
,
除菌
,
逆流性食道炎
,
肥満
,
胃がん
pp.86-92
発行日 2014年9月25日
Published Date 2014/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201410086
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Helicobacter pylori(H. pylori)除菌後の逆流性食道炎の発生について2010年のYaghoobiらのメタアナリシスでは,H. pylori除菌群 vs. H. pylori持続感染群のGERD(胃食道逆流症)頻度のオッズ比は1.11(95%信頼区間〔CI〕:0.81~1.53,p=0.52)であった。2012年のSaadらのメタアナリシスでは,除菌成功群はプラセボ群と比較して逆流性食道炎の発生に有意差はなかった(オッズ比:1.11,95%CI:0.63~1.96,p=0.71)。除菌後に体重増加やBMI(body mass index:体内積指数)増加がみられ,胃粘膜のレプチンが働いている可能性が示唆されている。除菌後に胃がんが新たに発見されることが報告されており,体部萎縮性胃炎を有する症例では除菌後も胃がん発生のリスクがあるため,除菌後も注意深い内視鏡経過観察が必要である。