Japanese
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特集 ヘリコバクター・ピロリ感染症の診断と治療 up-to-date
10.胃がん検診の新展開 -ABC分類による胃がんリスク検診を含む-
A change of gastric cancer screening -Including utilization of ABC classification-
井上和彦
1
Inoue Kazuhiko
1
1川崎医科大学総合臨床医学 准教授
キーワード:
胃がん検診
,
ABC分類
,
ヘリコバクター・ピロリ
,
ペプシノゲン
,
内視鏡
Keyword:
胃がん検診
,
ABC分類
,
ヘリコバクター・ピロリ
,
ペプシノゲン
,
内視鏡
pp.94-101
発行日 2014年9月25日
Published Date 2014/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201410094
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胃X線による胃がん検診は多大な貢献をしてきたが,変換の時期を迎えている。ヘリコバクター・ピロリ(Hp)は胃がん発生の必要条件と位置づけられ,その中で高度胃粘膜萎縮は高リスクであることがわかっており,胃がん検診においても発生リスクを考慮するべきである。簡便な血液検査であるABC分類により胃がん発生リスクの評価が可能であり,胃がん検診システムのgatewayとして導入すべきであろう。ただし,ABC分類だけでは胃がんの診断はできず,高リスク群に対しては内視鏡を中心とした画像検査の組み合わせが必須で,精度管理が重要である。また,除菌後など,Hp感染既往者や感染持続者がA群に混入することをできる限り避けなければならない。除菌後に対してはE群(eradication群)と別扱いし,定期的画像検査を勧める必要があろう。