連載 エイズに見られる感染症と悪性腫瘍(3)
ヒストプラズマ症
照屋勝治
1
Teruya Katsuji
1
1国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター 病棟医長
pp.4-10
発行日 2013年12月25日
Published Date 2013/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201401004
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ヒストプラズマ症は高度病原性真菌症のひとつであり,わが国ではほとんどみられない輸入真菌症である。進行期HIV感染のような高度の細胞性免疫不全例では高率に全身性播種性病変へと進展し,診断の遅れが致死的となりうるため,念頭におくべき重要な深在性真菌症である。抗原検査や臨床検体からの塗沫鏡検で菌体を確認することにより臨床診断がなされるが,確定診断は専門施設と相談して行わなければならない。直接的なヒト-ヒト感染は起こらないが,臨床検体から感染性の分生子が発生するリスクがあるため,その取り扱いには十分な注意が必要である。