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特集 生体防御能の異常・免疫障害で見られる感染症の特徴とメカニズム
4.肺コレクチンの欠損による易感染性と肺胞構造の異常
Deficiency of pulmonary collectins cause increased susceptibility to pathogens and show alveolar abnormalities
高橋素子
1
,
黒木由夫
2
Takahashi Motoko
1
,
Kuroki Yoshio
2
1札幌医科大学医学部医化学講座 准教授
2札幌医科大学医学部医化学講座 教授
キーワード:
コレクチン
,
肺サーファクタント
,
SP-A
,
SP-D
Keyword:
コレクチン
,
肺サーファクタント
,
SP-A
,
SP-D
pp.43-51
発行日 2013年11月25日
Published Date 2013/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201312043
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肺コレクチンのSP-AとSP-Dは肺サーファクタントの構成成分として気道・肺胞系に存在する。肺コレクチン欠損マウスは,B群溶連菌,Haemophilus influennza,Pseudomonas aeruginosa,RS(respiratory syncytial)ウイルス,インフルエンザウイルスなど種々の病原微生物に易感染性を示すとともに,感染にともなう炎症が増強している。SP-AとSP-Dでは病原微生物の種類によってその反応性に相違がみられる。SP-Dノックアウトマウスでは肺胞腔の巨大化など,次第に進行する肺気腫様変化が特徴的であり,ヒトの肺気腫への病態進展の機序との関係が注目される。気道・肺胞系は外界に開放しており,常に病原微生物侵入の危険に曝されているため,肺コレクチンの自然免疫生体防御はきわめて重要である。