特集 抗菌薬の使い方—敵はコロナだけにあらず! 今こそ基本に立ち返る
抗菌薬サイドから考える抗菌薬の使い方
ニューキノロン系
根井 貴仁
1,2
1健和会大手町病院内科(呼吸器内科)
2健和会大手町病院感染症科
キーワード:
抗菌薬
,
ニューキノロン
,
レジオネラ
,
結核菌
,
副作用
,
耐性化
Keyword:
抗菌薬
,
ニューキノロン
,
レジオネラ
,
結核菌
,
副作用
,
耐性化
pp.1034-1037
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228299
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Point
◎ニューキノロン系抗菌薬(以下,ニューキノロン)はグラム陰性,陽性にかかわらずたいていの一般細菌に対して効果があり,さらに非定型菌や結核などの抗酸菌にも効果がある,非常に広範囲なスペクトラムをもつ抗菌薬である.
◎半減期が長時間であり,内服薬でも腸管吸収性に優れるという使いやすさが大きな売りであったが,乱用される傾向が強く耐性化の問題が非常に深刻である.
◎副作用がほとんどないと誤解されてきたが,近年では大動脈瘤や大動脈解離などの重度な副作用発生のリスクが増大することが判明した.
◎ニューキノロンはたいていの微生物に効果をもつが,第一選択薬として投与をする場面が非常に限られている.つまり,一般日常の診療で第一選択として使用することはほとんどない抗菌薬であると言えよう.
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