Japanese
English
連載 関節リウマチ治療中に問題となる感染症(3)
2.新しい感染症検査マーカー 2)好中球上CD64
Neutrophil CD64 as a new diagnostic marker of infection
松井利浩
1
Matsui Toshihiro
1
1国立病院機構相模原病院リウマチ科 医長
キーワード:
CD64
,
neutrophil
,
infection
,
rheumatoid arthritis
,
biologics
Keyword:
CD64
,
neutrophil
,
infection
,
rheumatoid arthritis
,
biologics
pp.124-131
発行日 2013年7月25日
Published Date 2013/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201308124
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関節リウマチ(RA)をはじめとするリウマチ性疾患では発熱やCRP(C反応性タンパク)上昇といった感染兆候は原病でも生じうるため,原病増悪と感染合併との鑑別に苦慮することが少なくない。我々は好中球上CD64が,RA患者において原病の病勢や治療薬による影響を受けず,感染症を,感度,特異度ともに90%以上で診断し得る有用な感染症マーカーであることを報告してきた。好中球上CD64は,細菌,ウイルス,真菌,抗酸菌など種々の病原体感染で上昇するため感染全般を広く検出する能力に優れており,感染兆候のマスキングが懸念されるトシリズマブ使用下でも有用である。実臨床での具体的な症例を提示しながら,CD64測定の有用と限界について紹介する。