Japanese
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特集 世界に広がるトロピカルディジージズ
3.インフルエンザ
Influenza
岩本愛吉
1
Iwamoto Aikichi
1
1東京大学医科学研究所先端医療研究センター感染症分野 教授
キーワード:
インフルエンザウイルス
,
A型
,
季節性
,
パンデミック
,
人獣共通感染症
Keyword:
インフルエンザウイルス
,
A型
,
季節性
,
パンデミック
,
人獣共通感染症
pp.41-50
発行日 2013年7月25日
Published Date 2013/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201308041
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A型インフルエンザウイルスは分節したRNAを遺伝子としてもち,突然変異により抗原変異する,遺伝子交雑により抗原性の異なるウイルスを突然作り出すという特徴をもつ。水禽を自然宿主(リザーバー)として膨大な抗原セットを自然界で維持している。季節性インフルエンザとして流行をくり返しているが遺伝子交雑によって,突然,パンデミック・ウイルスが登場することもある。豚は鳥のウイルスにも人のウイルスにも感染し,遺伝子交雑の舞台装置となる。歴史上,動物の家畜化は新たな人獣感染症をもたらしてきたが,鶏や豚の大量飼育が拡大し,グローバリゼーションの波が吹き荒れる現代,人獣共通感染症病原体としてのA型インフルエンザウイルスを注視していく必要がある。